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富部神社と戸部ガエル

 南区の富部神社は江戸時代初期の慶長年間に、清洲城主で徳川家康の四男松平忠吉により創建された由緒ある神社です。本殿は、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根など桃山時代の建築様式を伝えるものとして 国指定の重要文化財に指定されています。(但し現在本殿は改修中ですが…)また祭文殿や回廊、境内の山車蔵に保管されている高砂山車も名古屋市文化財に指定されています。訪問した日(8月30日)は参道夜市というイベントも行われていて、境内は大変賑わっていました。

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<富部神社>

 富部神社のシンボルが「カエル」です。カエルの置物に入った「カエルみくじ」が有名で、緑の「無事カエル」、ピンクの「ご縁カエル」、黄色の「福カエル」など色合いもカラフルです。絵馬もカエル型で、境内のあちこちにはカエルの置物なども置かれています。

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<カエルみくじ>

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<カエル型絵馬>

 昔からこの地域には「戸部ガエル」という伝説がありました。桶狭間の戦いの少し前、富部神社の南に戸部城というお城がありました。戸部城の城主が 戸部新左衛門直政という戦国武将で、今川義元の娘婿でした。 気性が荒く、自分の前を横切ったものを切り捨てるなど周りに大変恐れられた武将でしたが、飛び跳ねて逃げるカエルは切ることができなかったという事から、命拾いして無事に帰ることができるという意味合いから戸部ガエルが有名となりました。下記が富部神社の境内に掲げられている戸部ガエルと戸部新左衛門についての説明板です。

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 戸部新左衛門は、今川方の武将でしたが、織田信長の策略にはまり、織田家へ内通したと今川義元に疑われ、桶狭間の戦いの3年前に切腹させられ、戸部城は廃城になってしまいました。時は流れ、明治時代に戸部氏の子孫らによって戸部城跡の碑や戸部新左衛門の碑が建てられましたが、平成28年富部神社に移築されました。現在富部神社にはこの2つの石碑の他、元名古屋市長の小林橘川(こばやしきっせん)の「ほととぎす 泣いてすぐるや 戸部の城」という句碑も建てられています。

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<左から「戸部城跡の碑」「戸部新左衛門の碑、小林橘川の句碑>

 戸部ガエルは富部神社だけでなく、広くこの地域全体にも伝えられていて、笠寺観音近くのマックスバリュー前にも下記石碑が建てられています。この石碑には、江戸時代後期の文化・文政の頃、笠寺の瓦職人が、伝説の戸部ガエルを陶器で作り、節分で賑わう笠寺観音境内の露店で郷土玩具として販売したものが評判になり、この地方の名産品になったと書かれています。

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<戸部ガエルの碑>

# by haru_tsuji | 2025-09-05 06:00 | 南区・天白区・瑞穂区 | Comments(0)

 NHK大河ドラマ 「べらぼう」に尾張藩主徳川宗睦(むねちか)が登場しました。徳川宗睦は尾張藩9代目の藩主で、40年近くも藩主を務め、藩政の改革を行いました。尾張藩中興の祖とも言われています。藩校の明倫堂の開校も行い、初代校長に細井平洲を招きました。細井平洲は上杉鷹山の師としても知られています。

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 ドラマでは10代将軍徳川家治が亡くなり、老中田沼意次が責任を取らされ辞任。徳川宗睦ほか徳川御三家の藩主が、新しい老中に白河藩主の松平定信を推挙する意見書を幕府に提出します。養子として新しい将軍となる徳川家斉の実父一橋治済と、老中に就任する松平定信、それに復権を目指す田沼意次一派の間で激しい権力闘争が始まりますが、飢饉で疲弊し田沼意次が行ってきた政策に反感をもつ江戸の貧民層が大規模な打ち壊しを引き起こし、江戸の町は大混乱。田沼意次は失脚するというストーリーが描かれます。

※NHK大河ドラマ「べらぼう」キャストのリンク⇒ べらぼうキャスト
(徳川宗睦は榎木孝明さんが演じています。)

 徳川宗睦はこの後13年後の1800年に67歳で亡くなり、尾張徳川家の菩提寺の建中寺に葬られましたが、1953年(昭和28年)に改葬され、その墓碑は小牧山に移されました。なお尾張藩主で現在まで墓碑が残っているのは、瀬戸市定光寺の徳川義直、市内建中寺の徳川光友、平和公園の徳川宗春と小牧山の徳川宗睦の4人です。

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<徳川宗睦源明の墓碑>

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<墓碑の説明文>

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<小牧山:赤枠が墓碑の場所>

 なお徳川宗睦には二人の子供(治休、治興)がいましたが、二人とも若くして亡くなり、更に養子として迎えた甥・治行とその子五郎太、甥の勇丸も次々に早世してしまったため、尾張藩初代藩主義直以来続いていた男系の血筋は宗睦で絶えてしまいました。この後尾張徳川家は、10代から13代まで徳川将軍家や、吉宗の子孫である一橋家、田安家から養子という形で藩主を送り込まれてしまいました。

# by haru_tsuji | 2025-08-30 06:00 | 愛知県内(その他) | Comments(0)

 名古屋城にはかつて二之丸御殿がありました。江戸時代初期の1620年からは、本丸御殿は将軍を迎えるための御成御殿になったため、尾張の殿様は二之丸御殿 へ移り、そこで政務を行いました。

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<現在の二之丸:中央の建物は二の丸茶亭>

 明治維新になり、名古屋城は新政府軍に明け渡されました。天守閣や本丸御殿は保存されましたが、二之丸御殿は取り壊され、1873年陸軍の兵舎が建設されました。現在の二之丸エリアは庭園の一部が残されていて、二の丸茶亭というカフェが建てられていますが、江戸時代にあった二之丸御殿の面影は全く残っていません。

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<現在の名古屋城二之丸>

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<江戸時代の名古屋城>

 そんな幻の二之丸御殿の一部が徳川美術館で再現されています。下記写真は名古屋城二之丸の平面図で、赤枠で囲った4つの部屋が、徳川美術館で再現されています。

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<名古屋城二之丸平面図>

 まず徳川美術館で再現されている部屋が、二之丸御殿で大名の公式行事に用いられた「広間上段の間」と、大名のくつろぎの場であった「鎖の間」です。書院造りの作りになっている広間には、床・違い棚・付書院と言った空間が設けられています。名古屋城の本丸御殿にも同様の作りの部屋がありますが、徳川美術館は花生や掛け軸、香炉、文房具、茶道具など小物も飾られていて、当時の部屋の様子がよりリアルに再現されていています。

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<広間「上段の間」>

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<鎖の間>

 二之丸御殿には本丸御殿にはないものが三つあります。それが、庭園・茶室・能舞台です。庭園は現在名古屋城に一部残っていて、江戸時代の資料を基に復元プロジェクトが進められています。徳川美術館で再現されているのは茶室と能舞台です。

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<猿面茶室>

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<能舞台>

 茶の湯と能は武士の教養・たしなみとして大変重視されました。能は武家の式楽(公式の場での音楽)で、慶事や公式な行事の際には必ず能が演じられました。二之丸には二つも能舞台がありましたが、徳川美術館で再現されているのは、広間前にあった「表能舞台」です。

# by haru_tsuji | 2025-08-25 06:00 | 中区・中村区・北区・東区・西区 | Comments(0)

 今回紹介するのは中日ビル6階の中日ホールで開催されている「アートアクアリウム展名古屋2025」です。夏らしい金魚の展示会ですが、見せ方がとても工夫されていて大人から子供までみんなが楽しめる エンターテイメントイベントです。名古屋では7年振りの開催だそうです。

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<中日ビル>

 展示会では44種、約2,500匹の金魚が展示されているそうです。館内は薄暗くなっていて、金魚が入ったおしゃれな19種類の水槽が並べられています。水槽にはカラフルなスポットライトが当たり、暗闇に金魚が浮かび上がるような演出になっています。

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<アートアクアリウムの垂れ幕>

 展示室の各コーナーには芸術作品らしいテーマがそれぞれつけられています。光だけでなく音楽やアロマオイルなど香りの演出もあり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。館内は写真撮影が可能なので、多くの人がスマホ片手に写真を撮る姿が見られました。

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<水槽の前は人だかり>

 下記作品は江戸時代から伝わる江戸切子を水槽に使った作品です。カットグラスの中を泳ぐ金魚の姿を間近で見ることができます。

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<江戸切子>

 玉手箱をモチーフにした作品もあります。金沢の金箔で絵柄を装飾しているそうで、豪華な雰囲気を醸し出しています。

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<玉手箱>

 下記作品は九谷焼とのコラボで「久谷五彩金魚」というタイトルです。円柱水槽の中に九谷焼の焼き物が据えられていて、その周りを金魚が優雅に泳いでいます。

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<久谷五彩金魚>

 下記作品は有名な華道家の假屋崎省吾さんとのコラボ作品です。水槽と花束が共存し、ライトの色が徐々に変化して美しさを演出しています。

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<假屋崎省吾氏とのコラボ「フラワーリウム」>

 この他にもたくさんの素晴らしい作品が展示されています。展示は9月15日まで、入場料は前売り券2,100円、当日券2,300円で、大人1名につき小学生2名まで無料です。

# by haru_tsuji | 2025-08-20 06:00 | 中区・中村区・北区・東区・西区 | Comments(0)

 今回紹介するのは NPO法人「平和のための戦争メモリアルセンター」が運営する「戦争と平和の資料館ピースあいち」です。この施設では 戦争資料を収集・展示を行なっていて 常設展示の他、戦争に関する企画展や講演会など平和を願う様々な活動を行っています。

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<ピースあいち>

 2階にある常設展室では 先の大戦で行われた愛知県下の空襲の詳細や、15年戦争とも呼ばれる1931年の満州事変から1945年の終戦に至る戦争の経過、またその間の人々の暮らしなどが パネルや写真、遺品などにより詳しく紹介されていました。

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<展示室と展示内容>

 ピース愛知では 戦争体験を語り継ぐ活動も行っていて、その記録を後世に残すため、データのアーカイブ 化も行っています。訪問当日も戦争体験者の講演会が開かれていて、3階の企画展示室では、9月13日までの予定で、ピースあいちでの語り事業のあゆみや、これまで語られてきた内容を1枚づつパネルにして紹介する企画展なども開かれていました。また学徒動員にフォーカスした企画展も同時開催されていました。

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<企画展>

 なおピースあいちの入場料は300円。地下鉄一社駅から北へ約1km、徒歩15分ほどの距離にあります。

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<ピースあいち周辺マップ(右が北)>

# by haru_tsuji | 2025-08-15 06:00 | 千種区・名東区・守山区 | Comments(0)