2024年 05月 15日
長良川河口堰とアクアプラザながら
三重県桑名市長島町のなばなの里近くに、「長良川河口堰(せき)」と堰を管理する独立行政法人・水資源機構が運営する資料館「アクアプラザながら」があります。今回はこれらの施設について紹介していきたいと思います。

長良川河口堰は、治水と利水を目的として1994年(平成6)建設工事が完了し翌年から運用(ゲート操作)が始まりましたが、建設段階では、漁協や自然環境保護団体からの激しい反対運動が起こり、建設の是非が論争となりました。
長良川が伊勢湾にそそぐ木曽三川の下流域は、昔から洪水の多発地帯で、住民たちは住居や田畑を洪水から守るため、地域全体を堤防で取り囲む輪中の中で暮らしていました。江戸時代から明治時代にかけて木曽三川を分流する治水大工事が行われ、水害は大幅に軽減されましたが、昭和34年の伊勢湾台風や昭和51年の台風17号と前線による長良川大洪水など、この流域では依然として大きな洪水被害が発生していました。
洪水対策として最も有効な方法は、川底をしゅんせつして土砂などを取り除き、川底を深くして河川の流量を増やす方法です。但ししゅんせつを行うと別の問題が起こります。それが塩害です。塩害というのは海の満ち引きにより、海水が川の上流に逆流する現象で、これにより地下水に海水が混じり、農地などにも影響が出ます。
長良川にはもともと河口から14~18km付近にマウンドと呼ばれる河底が高くなった部分がありました。これが塩水の逆流を防いでいましたが、しゅんせつしてマウンドを取り去ると塩水が河口から30kmまで侵入することが予測されました。
長良川河口堰は、河口部で潮止めを行うことにより、このような塩害を事前に防止して、安心してしゅんせつができるようにする役割があります。

<河口堰があると>
またこの河口堰により、堰の上流水域が淡水化されたため、新たな水道用水や工業用水が利用できるようになりました。この水は愛知県の知多半島や三重県の中勢地域へと送られ、新たな水源として利用されています。
河口堰は建設反対の理由だった漁業への影響についても考慮されていて、堰の脇に魚道が作られています。アクアプラザながらの近くには、魚道を魚がそ上する様子が観察できる魚道観察室も作られています。
by haru_tsuji
| 2024-05-15 06:00
| 県外(中部)
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