人気ブログランキング | 話題のタグを見る

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り

 半田市と阿久比町の境を流れる矢勝川堤では、ごんの秋祭りが開かれていて300万本の彼岸花が見頃を迎えています。この辺りは新美南吉の童話「ごんギツネ」の舞台となった場所で、近くには新美南吉の生家や記念館などゆかりの場所も点在しています。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_17144083.jpg

 ごんギツネは、国語の教科書にも採用されていて良く知られていますが、悪戯好きの子ぎつねごんと兵十と言う村人との物語で、兵十が川で捕った魚やウナギをごんが悪戯で逃がしてしまうと言う場面から始まります。10日ほど後ごんは兵十の母の葬礼を目撃し、兵十がウナギを捕ろうとしたのは、母親のためだったことを知り、自分行動を後悔し、なんとか償いをしようとします。この葬礼に登場するのが彼岸花で、物語の中の印象的なシーンのひとつです。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_17293975.jpg
<ごんギツネのジオラマ(新美南吉記念館)>

 兵十がウナギを捕っていた川が矢勝川で、1990年から市民の手によって川沿いに彼岸花の植栽が行われ、彼岸花の名所として広く知られるようになりました。2008年からイベントが行われるようになり、2013年から新美南吉生誕100年を記念して「ごんの秋祭り」と名称変更し、開催されるようになりました。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_17232692.jpg
<矢勝川堤の彼岸花>

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_17330607.jpg
<ごんの秋祭りの会場付近にも満開の彼岸花>

 新美南吉(本名新美正八)は1913年7月30日、父渡辺多蔵、母りゑの次男として半田で生まれました。下記写真が新美南吉の生家で、矢勝川の近くにあります。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_19221538.jpg
<新美南吉の生家>

 南吉の家庭は複雑で、恵まれない境遇で育ちました。兄は生まれて間もなく亡くなり、母も南吉が4才の時29才の若さで亡くなりました。父は再婚しましたが、南吉は継母との折り合いも良くなかったようです。また南吉は元々渡辺姓でしたが、実母の実家の跡取りが亡くなったため、新美家へ養子に出される経験もしました。南吉は優秀でしたが、実家は貧しく畳屋の父親に進学を反対されました。南吉は児童文学に興味を持ち、代用教員を務める傍ら、ごんギツネなどを執筆しました。その後東京外国語大学に進学。苦学しながら執筆活動を続けましたが、結核を患いました。卒業後女学校教員などを勤めましたが病が悪化し、1943年29才の若さで亡くなりました。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_21504471.jpg
<生家内の様子>

 1994年新美南吉の生誕80年、没後50年を記念し半田市によって建てられたのが新美南吉記念館で、新美南吉が残した手紙や資料、童話作品のジオラマ模型などが展示されています。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_21474176.jpg
<新美南吉記念館>

 ごんの秋祭りは10月4日までですが、今年は猛暑で彼岸花の開花が遅いので、10月中旬くらいまで楽しめるのではないかと思います。

彼岸花が満開/新美南吉とゴンの秋祭り_a0362603_21593759.jpg


名前
URL
削除用パスワード
by haru_tsuji | 2023-09-30 06:00 | 愛知県内(その他) | Comments(0)