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名古屋教育水族館と龍宮門

 港区の東築地小学校前に「名古屋教育水族館と竜宮門 名古屋最初の水族館」という歴史パネルが建てられています。名古屋教育水族館は、以前このブログでも紹介した守口漬けの考案者「山田才吉」が明治43年に建てた民間の水族館で、今の名古屋港水族館とは別物です。

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<東築地小学校前の歴史パネル>

 下記写真が創業当時の水族館です。この施設は社会教育のため、魚類だけでなく、クジャクやワニ、サル、当時としては珍しい水牛やアシカなども飼育していて、トータルで1,200種類も展示していました。山田才吉は「熱田電気鉄道㈱」という会社も設立し、熱田と水族館の間に路面電車を運行させました。これにより水族館は年間15万人が訪れる人気スポットになりました。この施設は港区竜宮町の大同特殊鋼築地工場付近に有りましたが、大正元年台風の高潮で倒壊してしまいました。

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<創建時の名古屋教育水族館>

 山田才吉は、大正9年料理旅館「南陽館」の敷地内に水族館を再建しました。再建した場所は、現在 東築地小学校となっている場所です。下記写真は再建後の水族館 の龍宮門で、現在の港区にある竜宮町という地名は、再建前の名古屋港水族館にあった龍宮門が由来になっているそうです。

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<再建後の名古屋教育水族館 龍宮門>

 下記写真は、名古屋教育水族館 再建後の航空写真です。水族館横に海水浴場などもありましたが、名古屋港が貿易港として発展するにつれ周囲の埋め立てが進み、海水浴場が閉鎖になるなど水族館を取り巻く環境が大きく変わり、昭和10年ついに名古屋教育水族館も閉館となりました。

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<名古屋教育水族館(大正末期)>

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<水族館があったあたりの現在の様子(東築地小学校)>





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by haru_tsuji | 2022-06-20 06:00 | 港区・中川区 | Comments(0)