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名古屋駅を洪水から守れ/広川ポンプ所(建設中)

リニア中央新幹線2027年の開業を目指して建設工事が進められています。それに伴い名古屋リニア駅の新設工事も着々と行われていますが、この工事と並行して進められているのが、名古屋駅周辺の浸水対策工事です。近年異常気象による大雨被害が各地で起こっていますが、名古屋駅付近はもともと標高が低く(海抜2mくらい)更にリニア名古屋駅は地下に設置されるため、この浸水対策はとても重要です。浸水対策で一番重要なのは、大雨が降った時、一時的に雨水を貯めるための調整池ですが、この目的で現在建設が進められているのが、広川ポンプ所です。



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名古屋駅周辺に降った雨水は地下50mに埋設された直径5.75mの下水管に集められ、広川ポンプ所へと送られます。下記パネルの青い線が既存の施設で、赤い線が現在建設中のものです。この下水管自体が調整池になっていて、146,000㎥、25mプールに換算すると実に584杯分もの雨水を貯めることができます。


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<メタウォーター下水道科学館なごや資料>



広川ポンプ所はささしまライブ24の南、中川運河沿いに建設が進められています。都心では広い敷地の確保が難しいので、ポンプ所は地中に深く埋められた構造になっていて、深さは65mもあります。なんと名古屋城がすっぽり入るほどの大きさです。ここに溜めた雨水をポンプでくみあげ、中川運河に排水します。排水能力は秒速13㎥。20秒で25mプール1杯分も排水することができるのだそうです。



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ポンプ所は少しずつ地上で作り、床下を掘っては沈めるという工程を繰り返しながら建設していきます。この手法をニューマチックケーソン工法と呼びます。ポンプ所は21年度完成を目指しており、名古屋駅周辺の中枢施設を水害から守る切り札となります。

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by haru_tsuji | 2021-04-05 05:55 | 港区・中川区 | Comments(0)