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緑区は焼き物の町だった!(その3・最終回)

緑区では、100基余りの猿投窯が見つかっています。徳重、神の倉、熊の前あたりを中心として天白区や東郷町方面など広範囲に分布しています。この地域で焼き物が発達したのは、陶器の製造に適した粘土質の土があったことと、窯(あながま)作りに適した丘陵地であったこと、焼き物に必要な大量の燃料(木材)があったことなどが考えられます。

発掘された遺跡の多くは昭和40年代以降に行われた土地区画整理事業などで発見されたもので、教育委員会などにより調査が行われましたが、遺跡の保存は行われませんでした。現在残っているのは、その時の調査記録と発掘された遺物で、名古屋市博物館などで遺物の一部が公開されています。なお窯跡は東山植物園内や愛知陶磁美術館などで保存されているものがありますが、緑区には残念ながら残されているものはありません。

猿投窯は前回説明したように、7地区に分類されていますが、各遺跡には地区名を示す記号と番号が付けられています。遺跡を番号で呼ぶのはちょっとありがたみに欠けますが、鳴海地区の遺跡には、地区を示す記号NN(鳴海地区鳴海支群の意)が頭に付けられています。緑区にある各遺跡はたくさんあって書ききれませんが、愛知県が編集した「愛知県史 別編 窯業1 古代猿投系」という書籍にこの地区の主だった遺跡がリストアップされていますので紹介しておきます。下記遺跡はほぼ年代順で、8世紀(奈良時代)ごろの物が多く、遠い古代の昔この地域が焼き物の町であったことが分かります。

7世紀:NN103号窯(天白区土原)、NN105号窯(天白区久方)
8世紀:NN288号窯(天白区向が丘)、NN-32号窯(東郷町赤木)※、NN286号窯(緑区亀が洞)、NN289号窯(天白区向が丘)、NN234号窯(緑区黒沢台)、NN259号窯(緑区藤塚)、NN261号窯(緑区神の倉)、NN265号窯(緑区乗鞍)、NN266号窯(緑区乗鞍)、NN275号窯(緑区徳重)、NN279号窯(緑区徳重)
9世紀:NN258号窯(緑区赤松)、NN268号窯(緑区徳重)、NN278号窯(緑区徳重)、NN249号窯(緑区熊の前)、NN245号窯(緑区亀が洞)
10世紀:NN282号窯(緑区小坂)

 ※愛知用水建設工事の際発掘された遺跡



東山植物園内で保存されている窯跡(H101古窯):窯は斜面に穴を掘って作ります。下記窯跡は天井部分が崩落して、底の部分だけが遺跡として残ったものと思われます。

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猿投窯から発掘された灰釉陶器の壺:

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                 <名古屋市博物館にて>




緑区乗鞍(NN265窯跡)から出土した遺物:1974年(昭和49年)土地区画整理事業の際発見されました。8世紀末から9世紀初めのものと推定されています。

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                 <名古屋市博物館にて>



緑区亀が洞(亀が洞1号窯・NN245窯とも言う)から出土した遺物:1956年谷澤靖氏により発見されたものです。9世紀末のものと推定されており、緑釉陶器が出土しています。

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                 <名古屋市博物館にて>


緑区小坂(NN282窯)から出土した遺物:1981年土地区画整理事業により発見されました。10世紀初めのものと推定されています。灰釉陶器、緑釉陶器が出土しています。

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                 <名古屋市博物館にて>


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by haru_tsuji | 2020-10-06 09:00 | 緑区 | Comments(0)